キイトルーダ®と化学療法併用による術前・術後薬物療法を受けられる
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キイトルーダ®と化学療法併用による術前・術後薬物療法について
これからの治療スケジュール
こちらは非小細胞肺がんの患者さんへキイトルーダ®と化学療法併用による術前・術後薬物療法を行う際の標準的な治療の流れを示しています。
術前薬物療法ではキイトルーダ®と化学療法を併用して最大3ヵ月投薬します。併用する化学療法によって、3週間に1度または2度通院します。
術後薬物療法ではキイトルーダ®を単独で最大9ヵ月投薬します。
あなたの健康状態や治療経過によって、内容やスケジュールが異なることがあります。治療の進め方がこちらの図から外れたとしても、不安に思わず、担当医の指示に従って治療を続けてください。
術前・術後薬物療法の目的
術前薬物療法を行う目的1)
非小細胞肺がんの治療は、がんの進行の程度(臨床病期)にもよりますが、外科治療(手術)が中心です。しかし、手術のみではがんを制御することが難しい場合があり、その際は治療の効果を高めることを目的として手術の前に薬物療法を行うこと(術前薬物療法)が検討されます。
術前薬物療法は、がんを完全に切除できる確率を向上させたり、顕微鏡レベルのわずかな転移(微小遠隔転移)を制御したりすることができると期待されている治療法の一つです。
術後薬物療法を行う目的2)
手術で目に見えないがん細胞が一部残ってしまったり、肺以外の離れた場所での微小遠隔転移による再発を予防するために、手術後に薬物療法の追加を検討します。
1)日本肺癌学会編.患者さんと家族のための肺がんガイドブック2023年版. p148. 金原出版
2)日本肺癌学会編.患者さんと家族のための肺がんガイドブック2023年版. p146. 金原出版
術前・術後薬物療法で用いられるキイトルーダ®について
がんが免疫機能にブレーキをかける仕組み
ウイルスや細菌などの異物に対する防御反応である免疫は、がん細胞に対してもはたらきかけます。最近、がん細胞は自身が増殖するために、免疫の一員であるT細胞に攻撃のブレーキをかける信号を送ることがわかってきました。つまり、がん細胞は免疫の機能にブレーキをかける仕組みを使って、T細胞の攻撃から逃れているのです。
ブレーキをかける信号は、がん細胞表面にあるPD-L1(ピーディーエルワン)というたんぱく質がT細胞表面のPD-1(ピーディーワン)というたんぱく質と結合することにより発信されます。
キイトルーダ®(免疫チェックポイント阻害薬)について
免疫チェックポイント阻害薬であるキイトルーダ®はT細胞表面のPD-1に結合することにより、がん細胞がT細胞に送るブレーキをかける信号を遮断します。その結果、T細胞のブレーキは解除され、がん細胞への攻撃が再開することで、抗がん作用が発揮されると考えられています。
術前薬物療法で用いられる化学療法について
がん細胞の増殖
正常な細胞は、際限なく増殖することがないようにコントロールされていますが、なんらかの原因によりその遺伝子に変化(遺伝子変異)が起こると、細胞は異常な分裂と増殖を繰り返すようになります。このような細胞をがん細胞といいます。
化学療法について
殺細胞性抗がん薬による治療を化学療法といいます。化学療法は、活発に分裂しているがん細胞の増殖を阻止したりすることで、がん細胞を死滅させる治療です。化学療法は、がん細胞だけでなく正常細胞にも作用します。
キイトルーダ®と化学療法の併用治療について
キイトルーダ®はがん細胞を攻撃するT細胞の機能を活性化し、化学療法はがん細胞を直接攻撃します。よって、キイトルーダ®と化学療法を併用して治療すると、異なる作用でがん細胞を攻撃するため、双方の治療効果が期待できます。
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