放射線治療の副作用

放射線治療の副作用には、治療中から治療終了直後（急性期）に生じるものと、治療終了後数ヵ月から数年以降（晩期）に生じるものがあります。

治療中から治療終了直後（急性期）に生じるもの

●排便回数の増加、下痢：腸の広い範囲に照射されることにより、便が緩くなり排便の回数が増えます。痔のような症状が起こることもあります。
●皮膚炎：皮膚がかさかさして汗をかきにくくなり、日焼けのように赤みを帯びます。
●尿道炎、膀胱炎：排尿回数が増えたり、排尿時に軽い痛みを感じたりします。
●骨髄抑制：白血球、血小板、赤血球などが減少します。
●食欲不振、吐き気、おう吐：お腹の広い範囲に放射線治療を行うと、吐き気が起きることがあります。

治療終了後数ヵ月～数年以降（晩期）に生じるもの

●排便障害：下痢になりやすくなります。
●膀胱炎：膀胱や尿道の粘膜が照射により炎症を起こし、頻尿になることがあります。
●直腸の炎症、出血：直腸から出血し血便がみられることがあります。
●リンパ浮腫：リンパの流れが悪くなり、下腹部や会陰部、両下肢がむくみやすくなります。
●小腸の狭窄、腸閉塞、腸穿孔：腸が癒着して腸閉塞になったり、小腸から出血したりすることがあります。
●照射部位の骨折：放射線が照射されると骨がもろくなることがあります。閉経後は骨粗鬆症（こつ そしょうしょう）になりやすいので腰椎や骨盤骨の骨折が起きてしまうことがあります。

放射線治療の副作用とキイトルーダ^®やシスプラチンの副作用は同時期に起こることがあります。少しでもおかしいなと感じたら、医師や看護師、薬剤師に相談してください。

＊ ここでは症状の例を示しています。「シスプラチンの特に注意すべき副作用」「キイトルーダ^®の特に注意すべき副作用」により詳細なキイトルーダ^®およびシスプラチンの副作用を掲載しています。

公益財団法人 がん研究振興財団. 知っておきたい放射線治療 改訂版, 2022.